無気力さんと同居するらしい


沈黙…


謎に気まずくなってしまい、職員室で用を済ませた私達の間には沈黙が広がる

…はぁ


「梓」



その沈黙を破ったのは蒼馬

「なに?」

「…織原真琴って家ではあんな感じなの?」

へ?

「いつものキラキラ王子って感じじゃなかった」

あ、ぁあ…


そうなんすよね

あの人学校では完璧王子様だけど、家ではただの無気力だるだる野郎なんです


「まぁ…うん」

「…ふーん」



蒼馬の不機嫌そうな声が聞こえる

怒ってる?

黙ってたこと怒ってる?

「怒ってねぇよ」



心を読まれてしまった

「顔に出すぎ」

ありゃ


「別に怒ってない。ただ…ムカついただけ」

…それは怒ってるってことでは

「織原真琴に」

え?

「真琴くんに?」

思わず疑問が漏れる

すると蒼馬が丸い目をしてこちらを見た

「ま、真琴くんって呼んでんの?」

え、あ

しまった

「…えっと…う、うん」

ついぽろっと

「…あっそう」



またまた不機嫌な声を出した蒼馬

なんだなんだなんなんだ


ううー
あーもぉぉ!

ねぇ!

何でバラすようなことしたの!

真琴くん!!!


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