無気力さんと同居するらしい
玄関で崩れ落ちていた自分の足を無理やり立たせる
落ち着け、落ち着くんだ天宮梓…
謎に光沢のある、我が家の靴箱に自分の顔を写して前髪を整える
よし、変じゃないよね?
うん、大丈夫
第一印象は大事
脳内には優しい顔をしたお母さんと同い年くらいの女の人の顔が流れている
これはあくまで私の一ノ瀬さん予想図だけど
優しい人でありますように
ドキドキと不安と緊張と…色々混じった手汗の滲んだ手でドアを開ける
「は、はい!」