無気力さんと同居するらしい
そんな人生経験豊富なわけじゃないし
同年代の女の子たちに悪く言われるのが平気なわけがない
…でも
"天宮梓"は
そういう人間だから
強く、明るく、お節介な人間だから
作れ
笑顔を絶やすな
余裕を見せるような表情で声をかけてきた見知らぬ女子に向き合う
「あんたさー今日も真琴くんと喋ってたらしいじゃん」
え、見てた?
あのど修羅場見てた感じ?
「真琴くんがあんたの名前呼んでいなくなったって言ってる子がいたの」
あ〜〜っっ
あの野郎のせいか
あの野郎のせいなのか
他人のフリしろって言ったのあの人だよね?
え、そうだよね
「ねー真面目にさー真琴くんの周りチラつかないでよ」
「本当目障り」
「真琴くんのなんでもないくせに」
…なんで私が寄ってたかってこんなこと言われなきゃいけないの
なんで私の行動を、あなた達に決めつけられなきゃいけないの
「…やだよ」
「は?」
飛ばされたガンをスルーして睨みつける
「嫌に決まってんじゃん。
真琴くんにとって私がなんなのかは真琴君が決めることだし
私は自分で真琴君のそばにいることを選んだんだからあなた達にどうこう言われる筋合いはない」
「は、はぁ?何言っての?きっしょ」
「調子乗んな」
うるさいうるさい
「私は、あなた達に何を言われようが何をされようが、自分を変える気はないから」