無気力さんと同居するらしい


「…ごめん。多分俺のせい」



「自分で他人のフリしろとか言っておいて、我慢できなかった」

が、我慢って

「梓があの男といるのが嫌だった」

…あの男…

って蒼馬?


ああ、そういえば
真琴くんが私に絡んで来るのって蒼馬といる時だ

「嫌って…なんで?」

「……分かんない。だけどなんか、嫌」

なにそれ

「でも、そんな勝手で梓のこと傷つけた」

「…私そんなに弱くない」

なんて今の今まで泣いてたやつが言うかって感じだけどね

「…知ってるよ。でも…実際に梓を傷つけてる」


私の左手を持ち上げる

転けた時に擦った傷が残っている

「ごめん」



心底申し訳なさそうな小動物みたいな顔

さっきの女の子達をギャフンと言わせた大蛇のような目とはまるで違う

「…真琴くん」

「…?」

「助けてくれて、ありがとう」

抱きしめ返すようにしてそう言った


「真琴くんがいてくれて、よかった」

「……っ」


同居相手が

あなたでよかった

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