無気力さんと同居するらしい



「じゃあよろしくね」と軽く微笑んで去って行ってしまった織原さん

え、お母さん世代の人ってみんなクレイジーなの?

だって普通に考えて、いい年頃の男女を一つ屋根の下に放り込む?

なんで織原真琴くんは何も言わないの!?

私が織原さんとわちゃわちゃやってる時もずっと黙り込んでたけど

え、あの爽やか王子さんだよね?この人


……

織原さんが出て行って2人きりになってしまったこの空間

リビングで座ることもできず、入り口に突っ立っている私とソファにだらんと座り込んでいる織原真琴くん


…え、何この沈黙

めっちゃ気まずいんだけど

あなたもっとキラキラしてるキャラでしょ?

「よろしくね」とかなんとか言ってくれないのぉ!?

…いや、うん。お世話になるのは私だもんね

私からご挨拶するのが礼儀だよね

…今日昼間に会った時はもっと話しやすい感じだったのになぁ…


ん"ん"

喉を鳴らしてこっちを見てもらおうとした…んだけど

え、えぇ…めっちゃガン無視じゃん

なんとなく察するでしょ?普通

わざとらしく喉鳴らしてんだよこっちは


…いや、気付かなかっただけだよね

うん、大丈夫

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