無気力さんと同居するらしい


ポカンとした目で見上げてくる梓

「…あ、いや、ごめん。そうだよね…えっと………こういう時ってどうすればいいんだろう…」

ああもう

ぐい

「真琴くん!?」

なんなんだよお前マジで
本当にさ

衝動的に、本気で動揺する同居人を抱きしめた


叱られ慣れてなくて自分を大切にする方法も知らなくて

それでも誰かのために本気になれる梓に胸を締め付けられた

なんて愚かで、愛らしいのだろうと
自分の胸が音を立てて溢れんばかりの感情と共鳴する


「頼むから…梓は自分を大事にしてくれ」

「…うん」


こんなこと…ちょっと前の俺だったらあり得なかった

誰かのために感情的になるとか

誰かにこんなに振り回されるとか



全部、梓が初めてなんだ


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