無気力さんと同居するらしい
とは言え、私が仕事好きなのは本当だ
何かを目的として働き、成果を得ることは
なんとも有意義なことでありィ…えー…
まあ要するにそういうことだ
ワークの束を両手で抱え込み、再び呑気な鼻歌と共に廊下を進む
えっと数学準備室は…
「あははっまじかそれ!」
「真琴くんすごーい!」
あら
なんだか前方の廊下がキラキラし始めたぞ
きゃっきゃうふふと青春の1ページを繰り広げるのは数人の男女
その中で一段と目を惹く男子生徒がいた
癖のないサラサラの黒髪、女の子が妬むほどの透き通る白い肌、そして無駄のない顎のライン
高く整った鼻から筋を通り繋がる、絵に描いたような切長の目
笑うとその凛々しい目は柔らかい色を持つ
スッと上に伸びた身長、長い脚、細身なのにガタイのいい身体…
いわゆるイケメン、ハンサム、美人といった
外見のいい人間を称える時に使う言葉全てがふさわしい、人生ゲームチートスキル『美』を持った人物
我が高校の王子様
織原真琴くんの登場である
脳内で流れるのは上品なクラッシック
勝手に自分の目が彼の周りに白い羽とキラキラのエフェクトをつける
そのくらい織原真琴くんは外見が強いのである
それにしても神様にはもう少しバランスよく美的センス振りまいて欲しかった、切実に