無気力さんと同居するらしい
この学校内で彼は一年生ながら、"王子"というあだ名で通っている
そりゃ見た目がいいからってのもあるけどそれだけではない
彼は…
「あれ、女の子が力仕事してる」
数学のワークを抱える私に優しい声色がかかった
先程の青春1ページキラキラゾーンの中心人物、織原真琴くんと目が合った
「大変だね。手伝おうか?」
ふっと力が抜けた柔らかい笑みが私に向けられた
その美しすぎる微笑みに心臓を握りつぶされたかのような衝撃が走る
うっ!
かなりHP持っていかれた
よろめいた足で踏ん張って仁王立ちを決める
「大丈夫です!仕事好きなので!」
早口でそう言ってスピーディーに退場
あれ以上彼と向き合っていたならば、あのキラキラオーラに負けて私は背景と一体化してしまうかもしれない
それはちょっと…嫌なので…
だがその親切心を踏みにじってしまったことに心が痛むぜェ…