無気力さんと同居するらしい


そうだ、別に一食分なら昼じゃなくてもいい
よし、この弁当は家に帰ってから奴に渡そう

普通に考えて毎日コンビニ弁当なんて体に悪いに決まっている

なんであんなに肌が綺麗なのか聞きたいくらいだけど

今日はバイトもないし昨日みたいに変に時間を使わず真っ直ぐ帰ろう!


都合よく時間が過ぎて放課後

さあさあ今日1日連れて歩いたこの弁当箱を持って帰る 

織原真琴は帰りにお弁当買ってきちゃうかな
まあそれでも渡せばいいか

早めに帰ろう

できれば織原真琴より先に家に着きたい

放課後の掃除を終え、早足で下駄箱に向かう
靴を変えていると聞き慣れた声に足を止められる

「あれ、梓」



「あ、蒼馬」

「珍しいなーこんな早くに帰るなんて」

まあいつも何かしら雑用してるからね

「今日は何もないから!」

「一緒に帰る?」

「うん!…あ、違う。私方向変わったんだ」

前の家だったら途中まで蒼馬と一緒だったけど
織原真琴の家は逆方向なんだった

「あー…そっか。残念」

蒼馬が眉をひそめて笑った

「ごめんね!じゃあね!」

「…おー」

軽く手を振って背を向けた


しかし

「梓!」

うお、びっくりした

蒼馬の声に足が止まる

「何?」

「あのさ…あー…いや、なんでもない。ごめん」



「また明日」

「うん?また明日」

なんだか違和感のある蒼馬の笑顔に後ろ髪をひかれながらも

駆け足で下駄箱をあとにした

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