無気力さんと同居するらしい



織原真琴のお母さんからもらった鍵で、慣れない扉を開ける

このマンション…なんかリッチな人ばっか住んでるからちょっと…ねぇ

すれ違う人みんなオシャンティだもの

なんとなくすまし顔になってしまう


織原真琴はまだ帰ってきてない

1日持ち歩いた黒い弁当箱を出す

とりあえず…着替えよう

白い扉の自分の部屋に向かう
ベットとクローゼットと机があるだけの質素な部屋

部屋着…といえど、さすがに我が家で来ていたようなゆるゆるの肩が出るようなTシャツは着れない

普通の綺麗なTシャツとズボンになる
そして我が家から持参したブラウンのエプロンをつける

いいねぇ、できる人っぽい

「よし」

気合を入れて部屋を出た


キッチンにズンと仁王立ち

まずはご飯の準備でもしておこう

黒い弁当箱の中身をお皿に移し替える

卵焼きとウィンナーとエトセトラ
肉じゃがは煮込むために鍋に入れる

味は大丈夫なはず…昨日の夜も今日の昼も確かめたし

自信はある

ヤツが食べてくれるかは微妙なラインだけど


あんまりもってないセンスをふんだんに使っていい感じにお皿に並べる

それから、昨日作っておいた今日の夜ご飯分の肉じゃがと一緒に火にかける

しばらくしてぐつぐつと音を立て始め、いい香りが部屋を包み込む


ガチャ

!!

< 43 / 317 >

この作品をシェア

pagetop