無気力さんと同居するらしい


玄関の扉が開く音

そしてスタスタと近づいてくる足音

…ヤツが来たっ

ガチャンコ

リビングにつながる扉が開いた


「お、おかえりなさい!」

「!」

思わずそう声をかける

リビングに入ってきた織原真琴が私を見て固まった

目がひと回り大きくなっている

「今日は夜ご飯作ったからコンビニで買わなくていい…よ」

私のことを凝視する織原真琴

え、なに
なんか変?

「…はぁ」



え、なにそのため息

「俺朝言わなかった?そういうのいらないって」

…えーと
あー言われた気がする

「分かったら構うな」

…む


「いやです」

「……は?」

私のおせっかいは、しつこいの!

「私おせっかいなんですよ!なんて言うんだろうなんか…もうそういう人間なので!
一緒に暮らしてるのにほっとくなんてことできません」

「…え、は?」

「それに毎日コンビニ弁当なんて絶対体に悪い!」

織原真琴の眉間にシワが寄っているのがはっきり見える

「あなたは嫌かもしれないけど、同じ家に暮らすんだから、ずっと他人なんてわけには行きませんよ」

ここで引き下がっちゃ絶対変わらない

がんばれ私!
めげるな私!

「私はしつこいですよ。簡単に突き放せると思ったら大間違いです!絶対一緒にご飯食べてみせます!!」

「……」

……

ヒュオーと冷たい風が吹いてそうな空気
辛い沈黙が肌を貫く

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