無気力さんと同居するらしい
「……に、肉じゃが作りました」
「…は」
「夜ご飯です。コンビニ弁当より美味しいです。きっと」
とにかく沈黙を破りたくて口を開く
「食べてください」
「……」
な、なんか言ってくれ
「…いやだ」
…ぅ
「って言っても食わすんだろ?」
…え?
続いた言葉に思わず素っ頓狂な顔を向ける
「しつこいんだろお前」
!!
「はイ!」
思わず声が裏返る
私を見ている織原真琴の顔はなんとなくだるそう
この人めんどくさいの嫌いらしいし
多分私みたいな人種は苦手なタイプだと思う
だからすんなり言うことを聞いてくれたのかもしれない
「まぁ、コンビニに買いに行くのもめんどいし飯代浮くし」
だけど
理由はなんであれ
…食べてくれるんだ
「う、うん…うん!!一緒に食べよう!!準備する!出来たら言う!!」
…思ったよりも嬉しかった
なんだが胸のあたりがウキウキしている
織原真琴との距離がほーんのちょっとだけ縮んだ気がして
それが思いの外嬉しくって…
「はぁ」
短くため息をついてリビングから出ていく背中
思わず溢れる笑み
まず一歩、第一歩だ。
少しずつでいい、この生活を好きになろう