無気力さんと同居するらしい
ーー
コンコン
黒い扉をノックする
「ご飯できたよ!」
……
しばらくしてだるそうな声が聞こえる
「はいはい」
返事を確認して先にリビングに戻る
ダイニングテーブルを再度確認して着席
ガチャ
「…」
「た、食べよう」
「…一緒に食べんの?」
!
「当たり前じゃないですか!ご飯は極力誰かと一緒に食べた方が体にもいいんですよ」
お母さんが言ってた
個食はよくない!
絶対誰かと一緒に食べた方が美味しい!
「…別に腹に入るんだったら同じだろ」
「違うんです!!はいほら!一緒に食べる!はい座る!」
「…お前本当うるさい」
「観念してください!」
「はぁぁぁ」
心底だるそうなため息
我慢しろ少年
それが私だ
現実を受け入れろ
残念だったな!
しぶしぶ席に座る織原真琴
「いただきます!」
私の声がデカすぎて織原真琴がちゃんと言っていたかはわからなかったけど
斜め前に座る不機嫌な同居人を見て、ちょっとだけ自分の口角が上がった
初、一緒にご飯
それがなんだか嬉しくって
静かな食卓もそんなに苦ではなかった