無気力さんと同居するらしい
3 雨らしい
朝ごはんを終えた織原真琴に無理やりお弁当を押し付ける
この人は理解が早い
私がしつこいとわかってからは結構すんなり諦めてくれるようになった
昨日のご飯の一件で、だいぶ距離が縮まったように感じてしまう
「俺が先に出る、時間置いてから出て。学校では絶対話しかけないで」
…そうでもないかも
「わかりました。行ってらっしゃい!」
「…は?」
…
はぃ?
「え、えと、いってらっしゃい…?」
「……」
めちゃめちゃ、え、めちゃめちゃしっかり眉間にシワ寄ってるんだが
こんなにはっきりしわ見えるのかな…ってくらいシワってる
だめ?あ、だめだった?
いってらっしゃいとか馴れ馴れしすぎて引かれちゃったパターン?
ちょっと!何も喋ってくれないから私の1人被害妄想が激しく独走し始めた
君の声帯を使ってくれ
相変わらずこちらを凝視している織原真琴の顔を見る
「……なんでもない」
ボソリとそう呟き、玄関の扉を開く
一瞬チラリとこっちを見てバタンと扉を閉めた
…え、なに?
なんなの?