無気力さんと同居するらしい
「あら2人揃って登校?」
「結花。おはよう」
「おはよう」
?
「あれ、結花髪の毛結んでるの珍しいね」
今日は体育があるわけでもないのに
結花が髪を結んでくるのは大抵…
「午後からかなり雨が降るみたいだから」
…大抵湿気の多い雨の日
「湿気で首元が蒸れるの嫌だから結んできたのよ」
え、雨降るの?
嘘でしょ
こんなにいい天気なのに?
傘持ってきてないっ
くぅ…ニュースくらい見てこればよかった
織原真琴の家になってからなかなかテレビをつけることがない
なんとなーくつけ辛いんだよね
他人に家のテレビって
うわぁん
あのマンションまで結構な距離あるんだけどな
「傘忘れたのか?」
ぐ…
さすが蒼馬、察しが早い
「いや…まぁうん」
「馬鹿ね。大雨になるって昨日からニュースで言ってたのに」
ま、私は持ってるけど と付け足す結花
貴様ぁ…
無理やり傘入ってやろうかと思ったけど
生憎結花とは出る門が違う
それどころか結花はバス通である
「傘貸してやろうか」
またもや私の心の内を読んだのか蒼馬が少し笑みを含んで言った
んだがしかしっ!
これから頼るやも知れぬ蒼馬にこんな早々から迷惑をかけられない
「平気!ロッカーに置き傘があるかもしれないし!距離も遠いわけじゃないから」
ま、両方とも嘘なんですが
これで良いのだ
それに!今の空は雲ひとつない晴天!
雨が降るなんて考えられないぜ!!