無気力さんと同居するらしい
ーーー
と、わずかな希望は酷く踏みにじられる
ザァァァ
ザァァ
ゴロゴロー
これが…これがフラグ回収なのかっ
「残念だったわね」
「ぐそぅ」
夕立なのか、激しい雨と所々で雷が鳴り響く
まあ雷怖いぴえんって感じの
か弱い女の子じゃないからいいけど
この雨の中を帰宅すると考えると気が落ちる
帰りのSHRが終わり、次々と教室から消えていくクラスメイト
「やばくない?雨」
「いやそれな。チャリ通まじ萎え」
「親呼ぼー」
「私も呼ぶー」
「迎えに来てもらお」
…ケッ
そんな簡単に親を召喚するとは
ていうかなんで親がそんな手軽な移動手段みたいになってんの?
感謝しろ感謝ぁ
誰もが迎えに来てくれる親がいると思うんじゃないぞぉ
そんなJK達を横目に見ながら教室を出る
「お前本当に大丈夫か?」
一緒に教室を出た蒼馬が言った
「蒼馬の方が家遠いでしょ!気にしないで!」
蒼馬の家は自転車で通ってもおかしくない距離にある
本人が歩くのが好きだから徒歩通学にしてるらしい
そんな蒼馬から傘を奪うほど鬼畜ではない
「お、置き傘あると思うから私は大丈夫!ほら!酷くならないうちに帰んなさい!」
「そうか。じゃあ先行くぞ?」
「うん!またねー!」
「おう」
蒼馬を見送ってから傘を取りに行くと見せかけ、無駄に廊下を往復する
相変わらず激しい音を立てる窓の外
……もう本当ついてないな