無気力さんと同居するらしい
あれ、ていうか学校で話してよかったのかな
チラリと織原真琴を見上げる
…まぁ、今は人いないし問題ないか
「えっと…」
待てよ?これ思ったんだけど
同じ家に帰るじゃん
ここ出る時間一緒じゃん
これどう考えても一緒に帰ることになるけど
その辺どうお考えですか同居人さん
まぁ、私は走って帰るけど?
そりゃあか弱いJKなので?
多分直ぐに力尽きて歩きますよ?
気まずいの嫌なのですが、ねぇ!嫌なのですが!
くそぅこうなったら少しでも早くに私が出るしかない
「えっと…じゃあまた後で」
微妙に視線が交わらないような場所を見つめて少し笑う
今度こそ、雨の中に足を踏み入れようとした
しかし
「待って」
んもぉぉぉぉお!なに!?
帰らせてくれよ!
「傘」
かさぁぁ?
「これ使って」
……え?
「はい」
やる気のない目で私の方に右手を突き出す織原真琴
その手には黒い傘
えっと
なんで?
「腕だるいんだけど早く受け取ってくんない?」
え、あ、はい
わけがわからずその傘を手に取った
「じゃ」
……え?
私が傘を受け取った瞬間、鞄を抱え込むようにして軽く私を見た後
雨の中に踊り出た
そしてそのままかなりのスピードで遠のいていく背中
…………へ?