無気力さんと同居するらしい
だんだんとスピードが上がり、家についた頃には肩で息をするほどになっていた
ガチャン
「た、ただいま!」
濡れたまま寝たりしてないよね?
服とかちゃんと干したかな
リビングに散らけるとかやめてよ、ほんとに
リビングの扉を飛び込み気味で開けた
「あ」
「!!?」
ぎぃやあああああ!!!
リビングの真ん中、ダイニングテーブルの前でこちらを見た織原真琴…は
じょ、上半身、は、裸…
緩いズボンを履いていて、それが微妙にずり落ちているものだから、し、下着までバッチリ見えてる
一瞬思考回路を宇宙に飛ばした私は急いで回収して、首の筋を痛める勢いで顔の向きを変えた
「な、なななっ!なんで服着てないんですか!?」
「はぁ?濡れたから着替えたんだよ」
「ふっ服着てから出てきてください!!」
「今の今までお前いなかったじゃん」
「今はいるでしょう!?服着てぇぇ!」
両手で顔を覆って叫ぶ
もう何この人!
私は母子家庭だったから、男の人とは無縁の生活を送ってきた
家に男の人がいることは愚か、体を見ることなんて生まれて一度も経験したことがない
当然思考回路はショート寸前、わかりやすく熱を帯びる顔を全力で逸らしながら
脱出しようとする意識を全力で引き留める