無気力さんと同居するらしい


「体温計ってどこにありますか?」

「知らん」

はぁ?

あなたの家でしょうが

「救急箱とかないんですか?」

「熱があるかどうかなら正確に測らなくてもわかるだろ」

…はあ
まぁ、多少はわかるけど

仕方ないので自分の手をおでこに当てて織原真琴に近づいた

自分の前髪を上げて私の方を見上げ、待っているこの男


子供みたいだなぁ

…なんて思いながら、そんなことを口にしたらきっと不機嫌になるだろうから言わないけれど。

それに私たちはまだ高校生だし、子供っちゃ子供だ

いくつになっても、甘えたいという欲望は消え去ったりしない

私やこの同居人は、特にそうなのかもしれない


なんてどうでもいい独り言を口の中で留めて、白いおでこに手を当てた

…うん
まあ確かに熱はない

「さがってる?」

「さがってますね」

とりあえず…

よかった

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