無気力さんと同居するらしい


「あ、そうだ!ゼリー買ってきましたよ。食べますか?」

「食べる」

スーパーの袋の中からゼリーを取り出す

体調の悪い時はこういうものに限る
私が風邪で寝込んでる時もお母さんが会社帰りに買ってきてくれた

それが何よりも美味しかった

お盆にそれらを並べて持っていこうとした


その時

ーー ピルルルル!

わ、電話?

そう頻繁に鳴ることもない私の携帯が通知オンをけたたましく響かせる

なんだなんだ

「ちょっと失礼します」



携帯に表示された名前はバイト先の友達
今日のバイトのことかな

携帯を手に部屋を出ようとした

「別にそこまで気を使わなくていい」

と、
察したのか、織原真琴がそう言ってくれた

ペコリと軽く頭を下げてその場で通話ボタンを押す


「もしもし」

『あ、もしもし?大丈夫ー?』

「うん!急に交代頼んでごめんね!本当にありがとう」

『いいのいいのー!梓ちゃんが交代お願いするなんて初めてだったからびっくりしちゃった』

「ちょっと急用ができちゃって」

『梓ちゃんには何回も助けてもらってるからこのくらいいつでも頼んで!』

「ありがとう!」

『あ、そうそう店長から連絡があって
いつもたくさん入ってくれてるから、忙しいんだったら無理しないで明日も休んでもいいって』

あら一回休んだだけなのにそんなに気を使われるとは

「大丈夫!明日土曜だしお店大変だろうから!それに」

チラリと織原真琴を見る

もう体調は大丈夫そう

「行けそうだから行くよ」

『そう?無理しないでね?』

「うん、ありがとう」

『またねー』

電話を切る

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