誘拐屋の寵愛
「よく似合ってる」

「とっても可愛い!髪の毛、アレンジしてあげるね」

アルロとテディーに褒められ、オリビアは頬を赤く染めた。異性から褒められることはあまりなかったからだ。

テディーに髪に触れられ、アルロにメイクをされていく。人に触れられることがこんなにも心地いいのだとオリビアの心が穏やかになっていった。

「完成!」

「うん、素敵だ」

サイド三つ編みに髪をアレンジしてもらい、ナチュラルメイクがされた顔をオリビアは見つめる。自分じゃない自分が鏡に映し出され、照れ臭くなった。

「ありがとうございます」

オリビアがそう言って微笑むと、二人の顔が赤く染まる。そしてオリビアの手足にはまた枷がはめられ、アルロとテディーはオリビアの近くに座った。

「オリビアはさ、誘拐屋って知ってる?」

テディーに訊ねられ、オリビアは首を横に振る。そんな職業など聞いたことがない。

「じゃあ殺し屋は?」
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