誘拐屋の寵愛
続けて訊かれ、オリビアは「その……依頼人に頼まれた人を殺す人ですよね?」と答えた。

「それの誘拐版が誘拐屋。俺とテディーはそれでお金を得ている。テディーがターゲットの情報を調べ上げて俺が捕まえる。それで依頼人に誘拐した人間を渡すんだ」

アルロにそう言われ、オリビアは「私は売られるということですか?」と顔を真っ青にする。しかし、「そんなことしない!」と二人に同時に言われてしまった。

「その……俺たちは偶然見かけたオリビアに恋をした。だから手元に置いて一生大切にしようと決めたんだ」

「アルロさんがあんなに優しく誘拐するなんてないんだよ!普段は無理やり車の中に押し込んだり、ナイフとかで脅したり平気でするんだから!」

「馬鹿!お前、何言ってんだよ」

「痛いです!つねらないでください!本当のことなんだから!!」

アルロとテディーの会話を聞いて、オリビアはもう自分は帰れないのだなと確信する。しかし、あんな地獄のような日々に比べたらこっちは楽園だ。
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