誘拐屋の寵愛

テディーとアルロは笑っているが、オリビアは戸惑うことしかできない。その時、アルロが言った。

「そういえば、オリビアは昨日は何も食べていないね。テディー、ここにご飯を持って来て朝食にしよう」

「わかりました！」

アルロの言葉にテディーが部屋を出て行く。オリビアは、何故自分の名前を知っているのか、昨日何も食べていないことを知っているのか戸惑って訊ねる。すると、アルロにそっと両頬を包まれ、「それはご飯を食べてからね」と微笑まれた。

テディーが持ってきてくれた朝ご飯は、野菜のたっぷり入ったサンドイッチとコーンスープだった。オリビアは誰かの作ってくれたご飯に泣きそうになり、その様子をアルロとテディーはオリビアと同じように朝ご飯を食べながら微笑んで見つめていた。

朝ご飯を食べ終えた後、一旦枷を外してもらいオリビアはクローゼットに入っている服に着替えることになった。白いレースのついた深緑の可愛らしいワンピースに袖を通す。ワンピースを着るのは久しぶりで、オリビアの顔に自然も笑顔が生まれる。