ゼツボウカクレンボ


「錫斗くん,私,隠れるのにいい場所があるの。一緒に隠れない?」

「ん,いいよ。」

そうぶっきらぼうに,でもいつもの飄々とした雰囲気で言った。

そんな彼の態度にイラッときたけど,この後のことを考えれば,そんなの吹き飛んだ。

実は一昨日もこの廃墟の学校に来て,いい感じの隠れ場所を見つけたのだ。

「錫斗くん,こっち!」

私は彼を連れて行きながら,成功するといいな,叶うといいな,と,ずっと願いながら歩いた。

「ここだよ!」
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