ゼツボウカクレンボ
「鬼さん鬼さんお待ちかね,いらない人間です。どうか私以外の隠れた人を連れていってください。」
間違えずに言えたはずだ。
私は錫斗がいた方を見た。
錫斗は…いなかった。
消えたんだ!
「あはははははははははははははははは!」
あー,たのしい。うれしい。
「あはは…ざまあみろ!!」
私はニヤリと笑った。
その顔が,私の目の前にある鏡にうつる。
–––––おかしい…。
違和感がある。
パズルのピースがかけたように,なんだか違和感があった。
私の目の前に…こんな大きな鏡,あったっけ?
私は考えようとして俯いた。