ゼツボウカクレンボ


そう,まるで…体が透けていくような感覚。

自分がこの世界から跡形もなく消えてしまいそうな感覚。

「変だと思わないか?」

死神が聞いてきた。

変だ。凄く変。

その正体を確かめたくて,恐る恐る手のひらを見てみる。

「うわああああああああああ!!!!!!」

なんだなんだ…なんなんだ!!

俺の手は…“透けていた”

「なっ,なんで…!ど,ど,どうして!」

俺は助けを求めるように死神を見た。

俺はちゃんと,あいつを消すことが出来た。

なのに,どうして…?
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