ゼツボウカクレンボ
月日は一年前に遡る–––––
あの日,私は彼と別れた。
「別れよう。涼音ちゃん。」
「へ…?」
ずっと続くと思っていた。
だって,約束したじゃない。
『ずっと一緒にいよう。』
『君だけが好きだよ』
そう,言ったのに。
「他に,好きな人が出来たんだ。
ごめん…」
謝るくらいなら私から離れないで。
私は今でも好きなのに…
「どうして私じゃダメなの!」
「なんか…つまらないんだよ。
それと,そうやってしつこいところ。」
胸に槍が刺さったように痛んだ。