ゼツボウカクレンボ
「おかしな事,言わないで!」
今はそういう気分じゃないのに…空気を読んで欲しい。
「嘘じゃないよ。
まあ,最初から信じろなんて言うのは無理だよね。でも,本当なんだ。」
「死神なんて,いるわけない!」
本当にこの人は何を言っているのだろう。
感情のこもってない声色。
光の入ってない瞳。
よく見れば服もボロボロだ。
髪の毛は綺麗な金色だけど,どこか変な感じがする。
外国人みたいだったけど,日本語ははっきりと喋れている。
不思議な男の子だな–––––
彼をみたら,誰もがそう思うだろう,と言うくらい,すごく不思議な雰囲気の男の子だった。