10年分の「好き」をキミに。
でも実際はうるさいくらいよく喋るし、性格も憎めない子供みたいな可愛さがある。


本当に雑誌の中とは真逆のタイプだよなぁ……。


「ほんとだね。これからは気をつけるよ」


そう言って舌をペロっと出して、あははと笑う彩音。


「それにしてもこのドラマの咲希、本当に可愛いよね〜。まあ実物ももちろん可愛いけど」


「またそんなこと言って。彩音の方が可愛いでしょ。」


本当に無自覚なんだから、と思わずため息をこぼしてしまう。


「あ、柏郡学園ってあそこじゃない?」


彩音の人さし指が指す方向へと視線を向けるとそこには見たこともないくらい大きな建物があった。


はやる気持ちを抑えながら若干急ぎ足で建物の近くへ移動する。


「わぁ。ここが柏郡学園……」


あまりの広さにゴクリと息を呑む。


隣にいる彩音なんて目をキラキラと輝かせながら学園を見ている。
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