溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
「それでは、かんぱーい」
幹事の男性のかけ声で、合コンがはじまった。この歳ではじめての合コンに緊張してしまい、隣に座る瑠衣に小声でSOSを出す。
「ねえ、なにしゃべったらいいの?」
わたしの質問に瑠衣は男性陣に笑顔を浮かべたまま、小声でアドバイスをくれた。
「無理に話をしなくてもいいの。とにかくにっこり笑って相手の話を聞いて。まずはそこから」
「相手の話を聞くね……」
なんともたのもしい。どっちが姉だとよく聞かれるが、今日ほど瑠衣を頼りに思ったことはない。
一通りの自己紹介が終わって雑談に切り替わった。その頃には料理がテーブルに並んでいた。
すでに自己紹介で疲れてしまったわたしは、雑談に耳を傾けながら目の前にあるサラダが盛りつけられた大皿のトングに手をのばした。
「取りますよ?」
「えっ?」
声をかけられて相手の顔を確認している間に、トングはその男性が握っていた。
「嫌いなものない?」
「え? あ、はい。なんでも食べられます」
「あ、そういうふうに見える」
「え?」
初対面の人にあまり言われない言葉を投げかけられ、驚いた。その顔がおかしかったのか男性はサラダを取り分けてくれながら、クスクス笑う
。
「いや、俺も好き嫌いないから。一緒だって思った。しかし君の反応、おもしろいね」
「え、ありがとうございます?」
「あははっ、なんで疑問形。かわいいなぁ」
か、かわいいって言われたっ!?
これまであまり男性から言われたことのないセリフにドキッとしてしまう。
「はい、かわいいからサーモンたくさん入れておいたよ」
取り皿に山盛りになったサラダが差し出された。
「すみません、ありがとうございます」
「どういたしまして」
わたしは受け取ったお皿を目の前に置くと、早速割り箸を割って食べはじめた。脂ののった大きなサーモンが美味しい。
幹事の男性のかけ声で、合コンがはじまった。この歳ではじめての合コンに緊張してしまい、隣に座る瑠衣に小声でSOSを出す。
「ねえ、なにしゃべったらいいの?」
わたしの質問に瑠衣は男性陣に笑顔を浮かべたまま、小声でアドバイスをくれた。
「無理に話をしなくてもいいの。とにかくにっこり笑って相手の話を聞いて。まずはそこから」
「相手の話を聞くね……」
なんともたのもしい。どっちが姉だとよく聞かれるが、今日ほど瑠衣を頼りに思ったことはない。
一通りの自己紹介が終わって雑談に切り替わった。その頃には料理がテーブルに並んでいた。
すでに自己紹介で疲れてしまったわたしは、雑談に耳を傾けながら目の前にあるサラダが盛りつけられた大皿のトングに手をのばした。
「取りますよ?」
「えっ?」
声をかけられて相手の顔を確認している間に、トングはその男性が握っていた。
「嫌いなものない?」
「え? あ、はい。なんでも食べられます」
「あ、そういうふうに見える」
「え?」
初対面の人にあまり言われない言葉を投げかけられ、驚いた。その顔がおかしかったのか男性はサラダを取り分けてくれながら、クスクス笑う
。
「いや、俺も好き嫌いないから。一緒だって思った。しかし君の反応、おもしろいね」
「え、ありがとうございます?」
「あははっ、なんで疑問形。かわいいなぁ」
か、かわいいって言われたっ!?
これまであまり男性から言われたことのないセリフにドキッとしてしまう。
「はい、かわいいからサーモンたくさん入れておいたよ」
取り皿に山盛りになったサラダが差し出された。
「すみません、ありがとうございます」
「どういたしまして」
わたしは受け取ったお皿を目の前に置くと、早速割り箸を割って食べはじめた。脂ののった大きなサーモンが美味しい。