【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
「フンッ。そんなのラインを見たから知っている。俺が何度も電話したのに出ねぇで。
大体酔っぱらって寝るなんて危険だぞ?!りっちゃんとやらが居たから良かったつーもんで、もしも男に持ち帰られたらどうするつもりだ?
お前はそれでなくっても危なっかしいんだから、もっと自覚するべきだ。これから男の居る場で酒を飲むのは止めろ。」
いや……お酒の弱いあんたに言われたくないんだけど、この状況では何も言えないけれど
だから今日は黙って頷いておく事にしよう。
「それでどうだった?」
「何が?」
惚けているつもりはなかったが、そう訊き返すと真央は怒ったように目をつり上げて肩から顔を上げた。
そして今にもキスをしてしまいそうな程顔を近づけ凄んだ。…ちょ、止めてよ。ただでさえ美しい顔なんだから、いきなり目の前でドアップになったら焦るわ。
「同窓会だよ!」
「あぁ、同窓会ね。…別に普通だったけど…大体小学校の頃の友達なんて全然連絡取ってなかったから声掛けられても名前と顔が一致しないし」
「声を掛けられたのか?!」
余りの気迫に肩がびくりと上がる。
そりゃ同窓会だもん。声位掛けられるだろう。
「そりゃあ…同級生だからね。声位掛けられるでしょう。皆から全然変わってないって言われたけどさ」
「変わってないだと?!お前は昔からそんなに可愛いのか?!」
だーかーら……どうして怒りながらも人をさり気なく褒めるのだろう。
悪い気分はしないけど、真央が思っているより私は可愛くはない。その証拠にこの人生でモテ期は来た事がない。