【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
いや…今が正にそのモテ期なのだろうか?この間昴さんの事があったばかりだし、同窓会でも雄太に…口説かれた訳ではないけれど、彼は同窓会中ずっと私の隣を陣取っていた。
「お前は本当に危なっかしい。きちんと自覚をしろ。
俺と付き合っている位なのだから、お前は世間一般的に見ると可愛くて綺麗な部類の人間に入るんだ。
そりゃあ俺みたいな人外的な美しさを持つ人間が隣に居たら普通に見えてしまうかもしれないけれど、それでもお前は可愛いし綺麗な方なんだ!
男と話してたら危なすぎる!」
褒められているのか貶されているのかはいまいち分からないが…溺愛はされている様な…気はするかな?
「だから真央が心配する程私はモテないってば!」
「全く自覚がないのは恐ろしい事だ。
それであいつはどうした?」
「あいつ?」
「りっちゃんとやらが言っていた’雄太’だ。来たんだろう?法学部なんかに通ってやがる小生意気なお前を好きだって言ってた同級生」
全くどうしてこういう細かい所覚えてるんだろう。連絡先を交換しただなんて言ったら、携帯を破壊しかねない。
「来てたけど…。普通にかっこいい爽やか系の大学生になってたよ」
「’かっこいい’だと?それは俺よりか?!」
「だから誰もそんな事は言ってないじゃない!被害妄想が激しすぎるよ。
大体真央よりかっこいい男なんて早々いないでしょ」
その言葉には悪い気はしなかったようで、ふふんと鼻を鳴らして勝ち誇ったように笑う。
忙しい男だ。
「まあな、そんな事お前に言われなくっても分かってる。
まぁお前が俺の連絡も返さない程同窓会を楽しんだのはムカつくがな」