【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
真央の目は真剣だった。
言葉で全てを伝えるには私達は不器用過ぎたけれど、それでも真央の気持ちは伝わっているんだ。
「今は花乃さんとはただの仕事仲間で、静綺が不安になる事は何もない。それだけは信じて欲しいんだ。
今回花乃さんが俺の担当になるのだってきっと社長の差し金だと俺は思ってる…。
こんな時に会長の奴が海外に旅行に行っているけど、帰って来たら花乃さんは俺の担当から外すように直談判するつもりだ。
俺は静綺が側に居てくれれば、どんな仕事だって頑張るつもりだ」
「信じるよ。
私の方こそごめん…。花乃さんに見せる真央の顔が知らない人のようでヤキモチを妬いちゃったの。
ふたりの間に何かがあったってそれは過去の事なのに私と出会う前だって事は分かってるのに…
もぉ自分でも自分がこんなに嫉妬深いなんて知らなかったよ…」
こんな嫉妬深い自分は嫌なのに、何故か目の前の真央は嬉しそうに笑う。
「静綺がヤキモチを妬くなんて…」
「そりゃあ私だってヤキモチ位妬くよ」
「お前はいっつも俺の事はぼろっかすに言うし、俺ばっかり静綺の事が好きな気がしてたんだが…
お前にヤキモチを妬かせるのも悪くはないな」
「私は嫌だもん。だって花乃さんは綺麗だしモデルさんみたいだから悔しいんだもん」
「俺はお前以外の女はもう女には見えないけどな」
それは不敵な笑い。
そんな綺麗な顔で嬉しい事を言ってくれると、自分が大層な存在になった気がする。
抱きしめた手を緩めて、真央はそのまま私をベッドへと押し倒した。そしてさっきよりも深いキスを落とした。
そしてそのまま真央は私のティシャツへ手を掛けようとした。