【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜

「この俺が!
お前と!
一緒に居たいと言っている!
大体俺は静綺とならばスキャンダルも何も怖くは無いんだ。
交際宣言までしちゃってるんだからな。
俺はお前と普通の恋人のように街を歩いたり、デートをしたい。隠れてこそこそするなんて御免だ」

「それは嬉しいけど…」

「だからお前も俺の為だとか言って自分のやりたい事を遠慮するのは止めろ!それはぜっんぜん俺の為になってねぇから!」

「真央…」

嬉しくって、思わず背中に抱き着くと真央の体は一瞬硬直して、振り向いた頬がほんの少し赤かった。

私だって本当は世界中に自慢したい。
私の彼氏こんなに素敵な人なんだよ?って。私だけの物なんだって。

真央の事を好きな人は世界中に沢山いるのは分かってるの。それでも独り占めしたい位、私だって真央が好き…。

芸能人だって一般人だって私にとって真央はただひとりの人。
この恋だけは絶対に誰にも譲りたくないの。

―――――

次の日。早朝から起きて朝ごはんのおにぎりとお昼ご飯のお弁当を作った。
恋のパワーとはすごいもんだ。

6時から撮影に出かける真央の為に、4時半に起きた。眠たいし体は怠いし元々低血圧だけど、真央の為ならばそんな事も気にならない。

5時半に真央は起きていて、キッチンで準備をしている私を見て眼を丸くしていたけど、心配そうに「無理しなくていいのに…」と言った。

けれども嬉しくってニヤニヤしている顔も見逃さなかった。

6時15分前まだまだ眠そうな坂上さんも起きてきて、私達ふたりが話している所を見て「仲直りしたんだねぇ~」と嬉しそうな声を上げた。
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