【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
「本当に違うの!雄太が無理やり大学に来て、お姉ちゃんの誕生日プレゼントを選ぶのを頼まれて無理やり…
本当に真央が思っているような事はひとつもない!」
「そんなの知るか!こんな風に仲良さそうに写真に写っているお前たちを見て俺が何も思わねぇと思ったか?!
それにさっきあいつが言ってたな?
全然違う世界に居る奴と付き合ってても価値観が違って疲れるだけだって!
お前も実際そう思ってんだろう。そうだよなぁ?俺と一緒じゃあイルミネーションのひとつもゆっくりと見る事は出来ねぇし、あんな風に人がいっぱいの場所でゆっくりと飯も食う事も出来ない!
本当はお前もそれに疲れてんだろう!!普通の大学生と普通の恋愛がしたいとでも思ってんだろう!」
地雷を踏んでしまった気がした。
それは最も真央が私と付き合う上で気にしていた事だろう。
きっとずっと気遣ってくれた。だから無理やりにでも普通のデートをしてくれようとした事。けれどそれが叶わない事に苛ついていたのは真央自身だった。
それを私は…こんな風に写真に残ってしまったら、彼の言う通り私が疲れているように見えたかもしれない。
実際ほんの少し楽しかった。普通の大学生として、大学生同士遊ぶのは…。だから罪悪感を感じてしまったのだ。
けれど、私が一緒に居て1番安心するのは真央で、真央以外を好きになるなんてありえない事だったのだ。
でも今自分が持っている全ての言葉を持ち寄っても、目の前に居る怒りに満ち溢れた男を納得させる事は出来ないだろう。