【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
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会長が呑気に海外旅行に行ってやがる。と直談判しにいった真央がブツブツ文句を言いながら時は過ぎて
あっという間に11月は終わって、12月に入るとぐっと外の空気も澄みだして一気に空気が変わっていく様な気がした。
真央に出会ったのは夏の始まり。そう考えればもう出会って半年も時が経ってしまったのだ。
そして12月2日。真央の25歳の始まり。そんな記念すべき日に一緒に居られる事にこの上ない幸せを感じていた。
その日は日曜という事もあり、前日から千葉の実家に帰っていた。
’彼氏を紹介したい’と母に告げると、彼氏なんていたの?とビックリされた。まぁ何も告げていなかったから、当たり前っちゃ当たり前の反応だ。
しかし連れて来た時は腰を抜かしてしまうのではないだろうか。だって……この人は私とはちっとも性格が違って、根っからのテレビっ子で…この間の秋の2時間ドラマ…真央が主演の奴も見ていた。
私に「姫岡真央って知ってる?」って聞いてきた時は驚いた。まさかバレてしまったのではないかと。何の事はない。子役時代からドラマを見ていて知っていたらしく、最近は本当にかっこよくなったのよぉ~としみじみと語っていた。
まさかその人が自分の娘の彼氏だと知ったら、一体どんな反応を見せるのだろうか。
朝から熱心に掃除機をかける母は、年頃になった娘が一度も彼氏を見せに来なかったのを何よりも心配してた。
…彼氏なんて居た事なかったから当然だけど。
「静綺、お母さんケーキでも買ってこようと思うんだけど、甘いものは嫌いかしら?」