【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
いずれ、と言う言葉にどきりとしてしまう。 そんなにずっと一緒に居てくれるつもりなんだろうか。なんて考えてしまう私のネガティブ思考はずっと変わりそうもない。
いつまで一緒に居られるかなんて付き合い始めだから考える必要はないけれど、この幸せが永遠に続いてくれるのかも不明だ。
私はバリバリ未来永劫真央と一緒に居るつもりなんだけどね。だから今日、実家に連れて行ってくれたり、私の実家に来てくれたのは緊張したけれど嬉しかった。
「それにしてもお前の面食いは母親譲りなんだな?」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべて横目でこちらを見る。
「は?私のどこが?」
「だって俺を選ぶとか絶対に面食いだろ」
「普通自分でそういう事言う?大体私あんたの顔を好きになった訳じゃないんだけど…」
「なッ!」
「それに面食いでもないし、どちらかと言うと昔から容姿は関係なかったー…。」
「そういえばお前が’大昔’に好きだったたっくんとかいう男も大したかっこよくはなかったな」
’大昔’強調する程昔か?今年の夏前の出来事ではないか。
たっくんとは、私が真央と出会う前に恋をしていた男の子である。
確かに私は昔から皆が騒ぐようなかっこいいアイドルにも興味なかったし、学生時代に皆がこぞってかっこいいと憧れた先輩にも興味はなかった。
どちらかというと雰囲気で人を好きになるタイプだった。
「それより今からどうする?お前が早く帰ろうというからかなり時間が余っているが…」