【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜

ひとつになった後も、ベッドの上でふたり顔をくっつけてずっとくっつきあっていた。真央の腕は片時も私を離す事は無く、抱き寄せる。

どうしてあなたは皆から必要とされる人気者なのに、私だけを特別にしてくれるの?大好きだよって甘い言葉を沢山降らせて、私だけをこんなにも大切にしてくれるんだろう?

自分に自信のない私だから、今もこんなに戸惑ってしまう。


―――――

「お前ってさー」

「え?」

「何で俺みたいな奴の事そんなに好きでいてくれるの?」

くるりと横を向いた真央の瞳はほんの少しだけ悲しい色を含んでいた。

いつもは俺様だけど、こっちの方がきっと限りなく本来の真央に近いんだろう。実は自分に自信が無い。だからそれを取り繕うようにいつも強がって、周りから誤解されてばかり。

「うーん……あんまり好きになる事に意味はないんだけど
真央はそんなに強い人間じゃないから」

その言葉に彼は偉く不服そうに顔をツンと上に向けた。

「あ、悪い意味じゃなくってね。弱い人はきっと強い人よりも人の痛みが分かると思うから。
私も自分に自信がないタイプで昔からいつだって自分なんかって直ぐに考えちゃう。だから真央の気持ちが分かるっていうか共感出来るっていうの?
人間らしい所好きだよ。
でもいざとなるときちんと自分と向き合う強い心を持ってる所も好き!」

悪くはない。そう言った顔をして、再び真央は私を強く抱きしめる。胸に顔を埋めて眼を閉じる姿は幸せそうで、見ているこっちまで嬉しい気持ちになるんだ。

そういう子供みたいな可愛い所も好きだよ。
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