【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
「あれー?何か静綺ちょっと雰囲気変わった?」
りっちゃんの言葉に思わずどきりとした。
真昼間から初体験を終えた私から、隠し切れない色気でも出ているのだろうか。
「え?!そう?!」
「うん。何か…気のせいかなー?」
「気のせいでしょう…」
今度りっちゃんとふたりきりの時に報告しよう。私、大人になりましたよー!って。
ルームミラーから真央が得意げな顔をしてニヤリと口角を上げて笑った。慌てて目線を逸らせて、りっちゃんと顔を合わせる。りっちゃんはまた不思議な顔をした。
「そういえばね、この間連絡が来たんだけど」
「ん?」
「冬休みに同窓会があるんだって。勿論静綺も行くでしょう?」
「「同窓会?!」」 ん?誰かと声が重なった。再びルームミラーに目をやると、真央が目を細めてごほんとひとつ咳ばらいをした。何故あんたまで反応している。
「同窓会ってどこの?」
私とりっちゃんは小学校から大学までずっと学校は同じだ。
「小学校のだよ!」
「小学校かぁ~全然皆に会ってないからどうなってるんだろう」
「ねー?私も幹事のユイちゃん以外とはあんまり連絡取ってないから。
でも久しぶりに皆に連絡したら結構集まるみたいよ」
「へぇー」
「雄太も来るみたい。」
「雄太だぁ?!」
車内に真央の怒鳴り声が響く。その声にりっちゃんは眼を丸くする。そして面白おかしく話し出してしまうのだ。