【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
「それに真央とも何だかんだ仲良さそうだし、真央も楽しそうだしさ…。
でもあの女は嫌なのッ。まるで真央を自分の思い通りに操ろうとしてるのが昔から見えて
ああいう計算高い女は昔から嫌いなのよ!」
花乃さんに真央は穏やかな表情を見せていた。操ろうとしているのかどうかは私には分からない。
けれど花乃さんと居る時間が真央の安らぎになるのだとしたら…そこに私の出る幕はないんだろう…なぁ…。
直ぐにヤキモチを妬いてしまって、結局喧嘩ばかりになってしまう私達はやはり相性が悪いのではないだろうか。
「また何か余計な事考え込んでるんでしょう?」
まるで私の考えなんて全てお見通し。そう言った感じで昴さんが顔を覗きこんできた。
「いえ…そういう訳では…
でもきっと芸能人と一般人が付き合うのは難しいのかなーって…。
喧嘩しちゃってもゆっくりと話し合う時間もないし、時間的に合わないってのもあるし…
そう考えたら」
絶対に仕事に理解がある業界人と付き合う方が真央にとっても楽なのではないか?
「あらー?そんな事もないと思うけどね。
業界人同士ってのも難しいと思うわよ。プライド高い者同士だからぶつかり合う事も多いと思うしね。
最近の芸能人はよく一般人と結婚ってのも多いじゃない?」
「確かにそれはそうかもね。俺も同じ業界の人と付き合うのは少し疲れちゃう。
それにしても意外だね、まさか岬が静綺ちゃんと仲良くなるなんて楽屋までわざわざ呼んじゃって、真央との恋も応援してるなんてさ」
昴さんの言葉に岬さんは顔を真っ赤にさせる。 照れているのだろうか。もしかしてこの子は真央と同じような人種なのかもしれない。