【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜
「か、勘違いしないでよ?!
私はただ真央が幸せそうに笑っていればそれでいいだけ。
それに静綺程度の女ならばまぁ許せそうではあるしね!」
言っている言葉はいちいち傷つくのだが、そこに悪気がないのも分かる。ツンデレって言うのだろうか。思わず可愛いと思ってしまう。
女の私がそう思うのならば、ファンの人達はたまらないのだろう。
「いえ、私の方こそ話を聞いて貰ってありがとうございます。岬さん…
こういう話はあんまり普通の友達にも出来ないし…」
「別にあんたの為じゃない!」
そんな私達のやり取りに昴さんは大笑いした。
そんな昴さんの胸を岬さんは力いっぱい殴る。
何か……このふたりお似合いかも。ビジュアル的には勿論釣り合いが取れているってのもあるんだろうけど、性格的にも温厚な昴さんとちょっぴり暴走気味の岬さん。
やっぱり傍から見ればお似合いだし、釣り合いが取れている。
それに引き換え私と真央はどうだろう…。
子供っぽい所のありすぎる私と真央より、大人な花乃さんの方が真央にはお似合いなんじゃないだろうか。
「でも何で真央はあんな女と…」
唇を尖らせた岬さんがぼそりと呟く。
「人は弱ってる時に付け込まれたら誰でも理由のない行動を取ってしまうものだよ。
特にあの頃の真央は荒れていたから、そういう気持ちになっても無理はない」
昴さんが言ったあの頃と言うのは、真央が再び芸能界に復帰して悩んでいた時期だろう。それは私と出会う前、分かっている。そんな事は…。
自分の中にここまでの独占欲がある事の方がよっぽどびっくりしている。