カフェの店員は愛されてます！

「僕がデザインした新作！一番に萌ちゃんに着てほしくて」

ニコリと橘さんは笑うけど、橘さんがデザインを任されているブランドは高いことで有名。この袋に入れられた服を全て買ったら五万は軽く飛ぶだろう。

「お気持ちは嬉しいですけど、さすがに無料でもらうわけには……」

私がそう言うと橘さんは立ち上がり、私の髪に触れる。急にそんなことをされてドキドキしないわけがない。

「この服、萌ちゃんをイメージして作ったの。だから着て？きっと似合うから……」

そのまま髪に口付けされ、私の顔は真っ赤になった。

「こら！萌さんが困っているでしょう！」

早乙女さんがそう言い、私と橘さんを引き離す。すると、相川くんが「萌さん！僕ともお話ししよ？」と肩をグイッと抱き寄せられ、天宮さんに「俺にしてよ」と囁かれる。

イケメンな常連さんがたくさんやって来たので、今日は一日のほとんどをドキドキして過ごしましたーーー。