リソウカレシ
結愛ちゃんのその声に、そっとスマホに目を向ける。
確かに【インストール中】の文字は消えていて、メール画面に戻っていた。
メールを一旦確認してみると、やっぱり結愛ちゃんが言っていた通り『手数料、送料共に不要です』と書いてある。
……送料ってなんなんだろう、ほんと。
「とりあえずアプリ開いてみよ!やばそうだったらすぐ消そうね」
「うん」
隣に結愛ちゃんがいてくれているというのが救いだ。
私1人じゃきっと、不安が勝ってしまって何も出来なかっただろう。
「…よし、」
ホーム画面に戻って、さっきインストールされたばかりの【リソウカレシ】のアプリをタップする。
ぱっと画面が切り変わって、ピンクを基調としたお姫様チックな…夢かわいい、とかいうんだっけ。
キラキラした【リソウカレシ】のホーム画面がスマホいっぱいに広がった。
「うわぁ!やっぱり乙女ゲームじゃない?」
女の子なら誰でも好きなような、可愛らしいデザイン。
結愛ちゃんも例に漏れず気に入ったようで、はしゃいだ声をあげる。
私も思わず可愛い、と零して、それからホーム画面をまじまじと観察してみた。