犠牲者はチャイムと共に。〜7日間の命〜
『彩。最後だ』



私は携帯を握り締める。

その手は尋常じゃないくらい震えていた。


誰もいない教室。

血の跡がついている教室。


そんな教室で起きた、この殺人劇。


今日で。

私で。

終わりなんだ……。



女子トイレの扉の前に立つ。

ゆっくりと、その扉を開ける。

足を踏み入れると、血の匂いが充満していた。


足になにかが当たる。

下へ目線を落とせば、美琴の心臓にナイフが刺さっていた。



「ひっ!」



手で口を覆う。

美琴の隣には、同じく心臓にナイフが刺さっている朋香が転がっていた。



「彩さん、いらっしゃい」



名前を呼ばれて、顔を上げる。

女子トイレの奥に立っていたのは、白髪交じりの女性。

しゃがれた声に、生気のない目。

服もよれよれ。


……よれよれの服は返り血で染まっていた。
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