犠牲者はチャイムと共に。〜7日間の命〜
「……安住の、お母さん、」



立っていたのは、安住 里香の母親だった。

一度、安住の家にお邪魔したときに出迎えてくれた、お母さんだった。



「これは里香を殺した、あなたたちへの復讐」



そう呟いた安住のお母さんは、一歩ずつ私へ歩み寄る。



「愛しい里香を殺した……」


後ろに下がることが出来ない私に近づいてくる安住のお母さん。

確実に詰め寄ってくる。



「里香はもう帰ってこないの……」



瞬きさえ許されない。

一瞬でも目を閉じたら、そのナイフで刺されてしまう。



「返して……。里香を返して……」



お母さんの目から、赤い涙がこぼれる。

充血した目は、私をとらえたまま。



「返せないわよね……」


気がつけば、目の前に安住のお母さんがいる。


心臓の高さでナイフを握って。

一気に振り下ろされたナイフは。
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