犠牲者はチャイムと共に。〜7日間の命〜
「もう無理!」



安住と仲が良かった、真由が声を上げた。

それに続いて、加奈子が泣き出す。

安住と、真由、加奈子……1人目の犠牲者だった奈津美はグループで仲が良かった。



「滝沢さんが里香を殺したのに! なんで、奈津美が犠牲者なの……」



真由が泣き叫ぶ。



「はっ!? このメールを送ってくるやつが殺人鬼でしょ!?」



美琴も言い返す。

言い返すけれど、その声はいつもより迫力がない。



「滝沢さんが犠牲になればいいのに!」



『揉めているようですけど、お時間です。3人目の犠牲者』



加奈子の叫びを遮ったのは、非通知メールだった。

もう、誰が犠牲者に選ばれるかなんて予測もつかない。

悲鳴を上げるのは誰なのか。

自分じゃないことを祈るだけだった。


……静かな教室。

聞こえるのは、夏のうるさい蝉の声。


メールが届いてから1分が経過。

2分経過。

誰の叫び声も悲鳴も聞こえない。


3人目の犠牲者はいない……?



メールが届いて5分経った。

肩の力を抜こうと思った瞬間。
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