恐怖庵
これは
僕、石田裕太が
21歳の夏に体験したお話です。
当時、大学生だった僕は積極的なタイプではなく
いわゆる《草食男子》
といわれるものでした。
めんどくさがりな性格も相まって
恥ずかしながら21歳にもなって
彼女が一度もできたことがないほど奥手でした。
そんなある日
「なぁ裕太、今日合コンいかね?」
「合コン?俺?」
同じサークルで、高校から仲が良かった
友達の弘樹が僕を合コンに誘ってきたのです。
「えー、面倒くさいしな。
…やめとく」
めんどくさい
気持ち的にも、今彼女が欲しい!!
…というわけではなかったので
断ったのですが
「そんなこと言わずにさぁ
頼むよ、人数足りなくて!」
「えー他のやつに頼めよ」
「お前の内面はともかく
外見はそこそこだから!
なぁいいだろ?…頼む!この通り!」
褒められてるのか
貶されてるのかどっちだよ
「うーん…」