恐怖庵




これは

僕、石田裕太が
21歳の夏に体験したお話です。





当時、大学生だった僕は積極的なタイプではなく

いわゆる《草食男子》

といわれるものでした。


めんどくさがりな性格も相まって
恥ずかしながら21歳にもなって
彼女が一度もできたことがないほど奥手でした。





そんなある日




「なぁ裕太、今日合コンいかね?」



「合コン?俺?」



同じサークルで、高校から仲が良かった
友達の弘樹が僕を合コンに誘ってきたのです。




「えー、面倒くさいしな。
…やめとく」



めんどくさい


気持ち的にも、今彼女が欲しい!!
…というわけではなかったので
断ったのですが




「そんなこと言わずにさぁ
頼むよ、人数足りなくて!」



「えー他のやつに頼めよ」



「お前の内面はともかく
外見はそこそこだから!
なぁいいだろ?…頼む!この通り!」



褒められてるのか 
貶されてるのかどっちだよ



「うーん…」

< 4 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop