若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
俺は、そういう祖父の心情を聞いて育った。だから、そう易々と本社には伏さない!

…大体、お前、俺のタイプでも何でもないんだよ。
自分の外側ばっかり磨いて、中身のない人間なんて、俺には興味も何もないんだ。

女は顔や体だけでいい、と思う相手ならこの世にもっと居るだろ。
そういう奴と、結婚でも何でも、勝手にすればいい!」


さっさと俺の目の前から消えてくれ、と言い捨ててそっぽを向くと、春妃はワナワナ…と体を震わせ、声を張り上げて怒鳴った。


「馬鹿にして!今の話、父にするわ!」


報復してやる、というような言葉を耳にした俺は、思わずククッと吹き出してしまった。


「やれるもんならやってみろよ。大体、お前からそんな話を聞かされたところで、父親が『NISSO設計』や俺に、何かを仕掛けることなんて出来ないんだよ。

うちは、お前が思う以上にデカい所と提携しているんだ。そういう所を相手に戦おうなんて、流石に娘の言うことでも、賢い父親なら聞かないだろうな」


無駄なことを考えてる暇があれば、もっと自分磨きでもしろ、と言い捨ててロックを傾ける。

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