若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「ん…うっ……」
息ができない…と藻掻きながら声を漏らすと、やっと舌先が離れていく。
はぁー…と息を吐き出すと身体中の力が抜け始め、フラつく私を彼の腕が力強く支えた。
「…悪い。あんまり往生際の悪いことばかり言うから」
つい意地悪した、と囁く彼は、私の体をぎゅっと抱きしめてくる。
「今言っていた女性のことはあれか?この間会った女がモデルか?…だったら教えてやる。
あれは、ビレッジの土地や建物を所有している旧財閥家本社の令嬢だ。そこと俺の会社とは、昔から付き合いがある関係で、今も仕事を委託されれば請け負うシステムになっている。
そういう理由で、彼女とは以前縁談を組まれ、仕様がなく一時期付き合った。けれど、俺には彼女とどうこうなる気なんて全く無いし、今夜も会って、ハッキリその気は無い、と言い捨ててやった。
彼女は政略結婚さえできれば、相手は俺でなくてもいいんだ。縁談は腐るほどあるし、その中から一番適当と思われる奴を選んで、そのうち結婚するだろう」
そう言うと、「わかったか?」と問いかけてくる。
でも、納得のできない私は黙り込んだまま、彼の胸板に縋り続けていた。
息ができない…と藻掻きながら声を漏らすと、やっと舌先が離れていく。
はぁー…と息を吐き出すと身体中の力が抜け始め、フラつく私を彼の腕が力強く支えた。
「…悪い。あんまり往生際の悪いことばかり言うから」
つい意地悪した、と囁く彼は、私の体をぎゅっと抱きしめてくる。
「今言っていた女性のことはあれか?この間会った女がモデルか?…だったら教えてやる。
あれは、ビレッジの土地や建物を所有している旧財閥家本社の令嬢だ。そこと俺の会社とは、昔から付き合いがある関係で、今も仕事を委託されれば請け負うシステムになっている。
そういう理由で、彼女とは以前縁談を組まれ、仕様がなく一時期付き合った。けれど、俺には彼女とどうこうなる気なんて全く無いし、今夜も会って、ハッキリその気は無い、と言い捨ててやった。
彼女は政略結婚さえできれば、相手は俺でなくてもいいんだ。縁談は腐るほどあるし、その中から一番適当と思われる奴を選んで、そのうち結婚するだろう」
そう言うと、「わかったか?」と問いかけてくる。
でも、納得のできない私は黙り込んだまま、彼の胸板に縋り続けていた。