若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「それでも俺は、君と結婚して一緒になりたいと思う。君の描くデザインを側で見て、刺激や力を貰い、また描いてもらえるような、そういう世界を自分が創り上げていきたい。
そういう形で、俺達は少しずつ、お互いの世界を知り合っていけばいいと思っている。君となら、そうやっていける、と俺は信じている」


選択肢を与えないよう話す彼は私の顔をじっと見つめ、目を細めながら微笑んだ。


「……堪らないな、その顔…」


するっと指先を唇に移動させながら、優しく滑らせて大きな手で頬を包んだ。


「レジデンスでもそうやって真っ赤な顔で俺のことを見つめていた。目が潤んで可愛くて、メチャクチャにしてやりたいような、守ってやりたいような、妙な気分にさせられた…」


だけど、とにかく今はキスしたい…と囁き、ゆっくり唇が近付いてくる。だから、私は慌てて瞼を閉じ、ドキドキしながら唇が重なる瞬間を待った。


彼は、さっきとは違って優しく唇を啄むと、短いキスを繰り返し、次第に唇を密着させながら、ゆっくり舌先を滑り込ませてくる……。



「香織…」


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